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JC-STAR ★1取得ガイド|IoTメーカーが最初にやるべき5つのステップ
制度解説解説記事9分

JC-STAR ★1取得ガイド|IoTメーカーが最初にやるべき5つのステップ

はじめに:JC-STARとは何か、なぜ今なのか

JC-STAR(Japan Cyber-Security Technical Assessment Requirements)は、IoT製品のセキュリティ適合性を評価・ラベリングする制度です。経済産業省が主導し、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が運用しています。

2025年3月に運用が開始され、現在は★1(レベル1)の申請が可能です。

「うちにはまだ関係ない」と思われるかもしれません。しかし、以下の動きを考えると、今から準備を始めるメーカーとそうでないメーカーの差が開き始めています

  • 公共調達での活用:政府・自治体のIoT機器調達でJC-STARラベルが参照される可能性
  • 大手企業の調達要件:取引先からのセキュリティ要求にJC-STARが含まれるケースが増加
  • EU CRA(Cyber Resilience Act):2027年12月に完全適用。欧州市場向け製品は必須対応
  • SCS評価制度:サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度が2026年度末に開始予定

JC-STAR ★1の概要

評価レベル

レベル位置づけ評価方法
★1最低限のセキュリティ要件自己適合宣言(自社で評価)
★2以上より高度なセキュリティ要件第三者評価機関による評価

★1は自己適合宣言方式のため、外部機関への評価依頼なしに自社で申請が可能です。これが「まず★1から」と言われる理由です。

対象製品

インターネットプロトコル(IP)を利用してネットワークに接続するIoT製品が対象です。

  • 防犯カメラ・ネットワークカメラ
  • 産業用ゲートウェイ・センサー
  • ビル設備・入退室管理機器
  • 決済端末・POS端末
  • AI搭載エッジデバイス
  • ルーター・スイッチ等のネットワーク機器

申請手数料

★1の申請手数料は198,000円(税込)です。

5つのステップで★1取得を目指す

5つのステップで進めるJC-STAR ★1準備

ステップ1:対象製品を1つ選定する

まず、JC-STARの対象とする製品を1つだけ決めます。

選定の基準:

  • 主力製品 or 新規案件で求められている製品を優先
  • ネットワーク接続機能があること(IP通信)
  • 製品の仕様・設計情報にアクセスできること

ステップ2:16の適合基準を確認する

JC-STAR ★1には16の適合基準があります。

カテゴリ確認ポイント例
アクセス制御デフォルトパスワードの排除、認証機能の実装
ソフトウェア更新セキュリティアップデートの提供手段
通信の保護暗号化通信の使用
データの保護保存データの暗号化、不要データの削除
脆弱性管理脆弱性の受付窓口、対応プロセス
セキュリティ設計最小権限の原則、攻撃面の最小化

ステップ3:ギャップを洗い出す

チェックリストの各項目について、自社製品の現状を確認します。

  1. チェックリストの各基準を読み、適合 / 非適合 / 確認が必要の3つに分類
  2. 非適合の項目について、対応に必要な工数と難易度を概算
  3. 確認が必要な項目について、開発チームや設計担当にヒアリング

「分からない」も立派な発見です。「この基準が自社製品に該当するか判断できない」という項目は、社内にナレッジがないことを意味します。それ自体がギャップです。

ステップ4:エビデンスを準備する

各基準に対して以下の記載が必要です。

  • 評価結果(適合 / 非適合)
  • エビデンスの名称(設計書、テスト結果、スクリーンショット等)
  • エビデンスに基づく適合理由

エビデンスの例:

  • ファームウェアアップデート機能の仕様書
  • デフォルトパスワード変更を求めるUI画面のスクリーンショット
  • 暗号化通信のプロトコル設定画面
  • 脆弱性受付窓口のWebページURL
  • セキュリティテストの実施報告書

ステップ5:チェックリストを完成させ、申請する

申請の流れ:

  1. IPAのJC-STAR申請ページにアクセス
  2. 申請書とチェックリストを提出
  3. 申請手数料(198,000円・税込)を支払い
  4. IPAによる確認
  5. 適合が認められればJC-STARラベルが付与

よくあるつまずきポイント

「脆弱性の受付窓口がない」

対応方法:

  • 専用メールアドレス(例:security@example.com)を設置する
  • 製品ページにセキュリティに関する連絡先を掲載する
  • 受付後の社内エスカレーションフローを簡易的に定める

最初から完璧な体制は不要です。「窓口がある」「報告を受け付ける意思がある」ことを示すのが第一歩です。

「アップデート機能はあるが、方針が文書化されていない」

対応方法:

  • セキュリティアップデートの提供方針を簡潔に文書化する
  • 製品の想定ライフサイクル(サポート期間)を明記する
  • アップデートの通知方法を定める
JC-STAREU CRA
JC-STARはEU CRA対応の第一歩にもなる

スケジュール感の目安

フェーズ期間内容
準備1〜2週間製品選定、チェックリスト確認、担当者アサイン
ギャップ分析2〜3週間16基準の確認、非適合項目の洗い出し
対応・エビデンス準備2〜4週間非適合項目への対応、証拠資料の作成
申請1〜2週間チェックリスト完成、申請書提出

合計:おおよそ2〜3か月が目安です。

まとめ

JC-STAR ★1は、IoTメーカーが製品セキュリティに取り組む最初の一歩として最適な制度です。

  1. 対象製品を1つ選ぶ
  2. 16の適合基準を確認する
  3. ギャップを洗い出す
  4. エビデンスを準備する
  5. チェックリストを完成させて申請する

制度が始まったばかりの今だからこそ、早めに動いたメーカーが顧客からの信頼を先に獲得できます。

自社だけでの準備が難しいと感じたら

「チェックリストの読み解き方が分からない」「エビデンスとして何を出せばいいか判断できない」——そんな場合は、外部の専門家と一緒に進めるのも現実的な選択肢です。

初回相談は無料です。まずは現状の体制と課題感をお聞かせください。

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